【うらら迷路帖】占いってなに?どんなものがあるの?【基礎知識編】

【うらら迷路帖】占いってなに?どんなものがあるの?【基礎知識編】

うらら迷路帖は、まんがタイムきららで連載中のはりかも先生原作の占いをテーマにした漫画であり、2017年にはアニメにもなりました。

女性の占い師「うらら」が治める町「迷路帖」に五殿山からやってきた野生児「千矢」は、一緒にうららを目指す「紺」、「小梅」、「ノノ」、そして、師である「二ナ」らと出会い、切磋琢磨しあいながら一流のうらら(占い師)「一番占」を目指す物語です。

と、言うことで今回のテーマは「占い」です!

占いって一口に言っても様々な占いがあるんです。そんな、占いについてうらら迷路帖を通して学んで行きましょう。

占いってなに?

まず、占いの基本的な歴史や知識から学んで行きましょう。

占いとは様々の方法で、人の心の内や運勢、未来など、直接観察することの出来ないものについて判断や予言することや、その方法を言います。

日本では古くは卜占(ぼくせん)や占卜(せんぼく)とも呼ばれました。

では、そんな占い一体いつからあるのでしょうか?

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占いの歴史

世界中ではさまざまな種類の占い方法がありますが、日本の占いは古くは古代縄文時代や弥生時代から始まります。

古代の日本では「太占(フトマニ)」と呼ばれ「牡鹿の肩甲骨に火のついた棒を押し付け、骨のひび割れの形で吉凶を判断する」方法が最古の占いと言われています。

この占い方法は「ト占(ぼくせん)」と言い、亀裂の入り方で吉凶を占います。

また、「古事記」に太占の記述が残っており、伊弉諾尊と伊弉冉尊が国生みの折に、いかにして良き子を得ることが出来るか問うたところ、天津神が太占によって占ってくれたと記されています。

この「フトマニ」とは本来、古代文字の「ヲシテ」文字で書かれた歌集で「和歌」の始まりとなっています。この「フトマニ」とは別物の「太占(フトマニ)」が占いなのですが、歌集のフトマニも占いには関わりが深いです。また、フトマニはスピリチュアル的に大変重要な存在です。

そして、現在では「吉備津神社」の「鳴釜神事」が卜占として行われています。

また、飛鳥・奈良時代にはト占の鹿の骨が亀の甲羅に変わった「亀卜(きぼく)」が一般的になり、「夕暮れに辻に立ち、偶然通りかかった人の話す内容で吉凶を判断する」‘‘辻占(つじうら)”もこの時代から出始めてきました。辻占はよく時代劇でこの言葉聞きますが、(時代劇の中では‘おみくじ””になっています)占い方法は今で言う「外応」で判断したものです。

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陰陽師の存在

こうして時は流れ、平安時代にはアニメや漫画などエンターテインメントで良く登場する、私たちも良く知る、「陰陽師」の存在が知られて行きます。

陰陽師は主に、全ての事象が陰と陽と木・火・土・金・水で成り立った「陰陽五行」を基本とした思想を持ち、占いではそれと関連する暦で占う「暦学」や「易学」と言う方法で占いを行っていました、陰陽師については、古代の日本からの政府の役職で実はずっと陰陽師と言うのは居たのですが、平安時代に藤原道長が徴用した「安倍晴明」の存在で、私たちの陰陽師のイメージが定着したのです。

また、平安時代では、空海が持ち帰り広めたとされる、インド占星術を基本とする「宿曜道」今では「宿曜占星術」と呼ばれる占い方法が日本に入ってきました。

夢占いのエピソードが有名な鎌倉時代

鎌倉時代では、今の私たちでも関心のある占い」のお話が残っています。

鎌倉幕府初代将軍、源頼朝の妻である北条政子の「夢買い」のエピソードです。

ある日、北条政子の妹が吉夢である「太陽と月を両手で掴む夢を見た」と姉の政子に言ったら、政子が「その夢を売って欲しい」と自分の鏡と交換に夢を買い、こうして最終的には源頼朝と結婚出来たと言う逸話です。

当時、夢の売り買いが出来ると信じられており、北条政子もそうして幸運を掴んだと言う話です。

また、夢と言えば、北条政子の息子である三代将軍の源実朝は予知夢を見ることで有名でした。

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戦国時代からは軍師が占い師に

戦乱の世になると、武将は占いで戦法を決めることがありました。

昔からの、政府公認の占い師である陰陽師もずっといたのですが、戦い向きではないので変わりに軍師が陰陽師の側面も持っていました。

有名なのは、武田信玄の軍師である「山本勘助」です。

山本勘助は片目が不自由だったと言われる。

山本勘助も陰陽師のように、「陰陽五行」を使って戦の吉凶を占っていたと言われています。

そして、この軍師と占い師を合わせたような存在の代表とも言える「天海」が徳川幕府に深く関わり、太平の世を作りました。

こうして、江戸の幕末から明治になる時に現れたのが「高島嘉右衛門」と言う人物です。高島嘉右衛門は易経を駆使し、実業家になり、自分の易経をまとめた書「高島易断」は今で易経の教科書のような存在です。また、嘉右衛門は「伊藤博文」のブレーンであったことは有名です。

ここまでザックリとお話しましたが、こうして見ると、占いと日本人の歴史は深く、古代から脈々と受け継がれてきたことが分かります。夢占いなんて、私たちが毎日見るものなので毎日気になりますもんね(笑)

日本人は実は占いを信じない?!

ここまで、占いの歴史についてお話していきましたが、占い師については政府の役職であったり、貴族のお抱えであったり、武将の軍師であったり、将軍のブレーンであったり…。

実は、占いとは平民の為のものではなく、偉い人のものでした。

占いの歴史は深いですが、占いと占い師は民衆にとってあまり近いものではありませんでした。ここまでお話した通り、むしろ遠い存在で、今みたいに占いが一般大衆に広まったのはごく最近と言っていいでしょう。例として、血液型占いや、星座占いなど。。

では、逆に‘‘一般大衆のもの”とは何かと言うと「仏教」です。法然のどんな人でも神様が救ってくれると説いた「念仏踊り」はじめ、仏教は広く大衆に広まって行きます。

私たち一般の感覚で言うと、困った時はお坊さんに相談しようとか、お坊さんに聞いてもらおうなど、仏教は私たちにとって近しい存在です。ですが、占い師はと言うと困った時に占い師に相談しようとなかなか思いません。

唯一、そんな存在が出てきたのは、明治時代の「出口王仁三郎」や「中山みき」のような人たちかもしれませんが、この人たちは霊能者です。

実は、霊能者やシャーマンと呼ばれる人たちは古代から村や集落に必ずいて人々とは近しい存在でした。

民衆の間でも行っていた、辻占や夢占いなどはむしろ‘霊能”的なものです。ですが、こと占いとなると、偉い人の物になってしまいます。

それは、占いが当時は高度な学問だったからかもしれません。(宿曜占星術など、空海が留学先から持ってきたぐらいですから)

占星術などは今ではPCなので簡単に計算できますが、昔は人の手で計算しなければなりませんでした。また、覚えることも多いですしね。今でも、覚えることは沢山あります。

もうこれは、学問ですね。。今でも、深堀したらきりのないぐらいの難しい学問と言っても良い占いですが、皆さんにもっと大きく広まってくれること願っています。

占いは大きく分けて3つある

いろんな占い方法がある中で、占いとは大きく分けて3種類に分けられます。

まず、「命」(めい)と言う、運命や宿命を占うもの。
誕生した生年月日や時間、場所の要素を加えることによってその人の性質や傾向、人生の流れを占います。別名推命とも言います。
・四柱推命、九星気学、算命学、数秘術、宿曜占星術、星占い、動物占いなど、占星術が「命」になります。

つづいて、「卜」(ぼく)人が関わりあう事柄・事件を占うもの。
何かを決断する時に使うことが多く、時間、事象、方位などを基本にして占う。

日本で一番最初に出てきた占いで紹介したのがこの「卜(卜占)」です。
・易断、ルーン占い、水晶占い、花占い、辻占い、おみくじ、コイン占い、麻雀占い、トランプ占い、タロット占いなど、今で言う、偶然や‘‘シンクロニシティ”で吉凶を見る、‘‘おつげ”など言わば霊感を使った占術です。

最後は「相」(そう)です。
相とは姿や形など目に見える事象や環境から対象となる人への現在の影響や今後の運勢などを見る占い。
・姓名判断、手相占い、人相占い、夢占い、風水、家相、など、が代表的な「相」の占術です。

以上の大きく3つに分けて占い方法は存在します。

また、最小に紹介した漫画「うらら迷路帖」でも、それぞれ得意な占術やさまざまな占いが紹介されていますが、千矢達はどんな占いが得意なのか見て行ってみましょう!

うらら迷路帖と占い

出典:うらら迷路帖 公式ホームページ|TBSテレビ

占いがテーマの「うらら迷路帖」にはいろんな占いが登場します。

そして、登場人物それぞれが得意とする占術を持っています。

実際の占い師にも、得意な占いがあり、その占い方法を使ってお仕事をしている人が多いです。

そんな千矢をはじめうららを目指すみんなの得意な占いを紹介したいと思います。

主人公である千矢(ちや)の得意な占いは「水晶占い」

出典:うらら迷路帖 公式ホームページ|TBSテレビ

水晶占いとは、卜占にあたり、外国では「スクライング」と呼ばれています。

欧米では古くから占い方法として使われており、何らかの物体や物理現象を見つめることによって、眼に入った視覚的イメージ、これを「幻覚」と言いますが、この幻覚を見て吉凶や未来などのヴィジョンを視る方法が水晶占いです。この、スクライングは水晶でなくても、水面やガラスなのものが写るものなら何でもOKです。

このヴィジョンは「アストラル界」すなわち、「霊界」のヴィジョンであったりもするので「霊的な存在」も見えると言われています、

よって、霊能力がなければ出来ない占い方法ですので、千矢の強い霊感がうかがえます。

ちなみに、千矢は‘‘野生児”と言われる程の、浮世離れしたところと、天然な性格を持っているので、この要素は霊感が強い人の特徴でもあるので、千矢が水晶を使う占いが得意なのは納得いきますね。

現に、千矢は未来も過去も見通す千里眼の力があり、神様が見える体質とかなり、霊能力が高いです。

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巽 紺(たつみこん)の得意な占いは「狐狗狸」

出典:うらら迷路帖 公式ホームページ|TBSテレビ

紺の得な占術は「こっくりさん」です。え?!こっくりさんて占いだったの?!って驚かれる方もいると思いますが、立派な占術です。

実は、私の大叔母さんがこっくりさんの名手で良く祖母が話しておりました。

主に未来の事を予言するような形で聞いていて、外れた事がない!と呼ばれる程だったそうです。

このこっくりさん、成り立ちは西洋の「テーブル・ターニング」から派生した占いで、机の上に乗せた人の手がひとりでに動く現象を基にした占いです。

古くはレオナルド・ダヴィンチの自著にも残されていることから、15世紀には普及していたと思われます。

これは欧米でも心霊現象と言う認識ですが、日本では「狐狗狸」とあるように霊能者が動物霊を降霊させておこないます。中でも、狐の霊が一番高等な霊とされています。

紺も降霊の力があり、「お狐様」と呼んでいるいつも降りて来る動物霊がいました。

私の大叔母もいつも降りて来るこっくりさんは同じお狐様だったと言います。

また、紺は初期ではこのお狐様に憑りつかれてしまって、そこから修行し、立派な依り代になり今では呼ばないでも来てくれるようになりました。

実は、この「呼ばないでも来る」ことってとっても重要で、このような自分を助けてくれる動物霊や精霊や式神のたぐいは‘‘呼ばなくても来る”ことが良い関係の証拠でもあるので、紺ちゃんは良いこっくりさんの使い手であると思います。

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雪見 小梅(ゆきみこうめ)の得意な占いは「タロットと振り子」

出典:うらら迷路帖 公式ホームページ|TBSテレビ

小雪は小さい頃に出会った魔女「マリ・キスピルクエット」の影響を受け、西洋の占いを得意とするようになりました。

タロットカ占いは有名ですが、振り子と言うのは別名「ペンデュラム」と言ってダウジングの一種で、やり方は、パワーストーンなどの振り子を持って、その揺れる動きから「YES」か「NO」を見る占いです。

また、小梅はタロットと振り子占いだけでなく、自分で考案した横文字の祝詞のような呪文を考案したり、西洋的な名前「ミス・プラム」と名乗るなど、迷路町に西洋の風を吹かせます。

そして、占いの館「マドモアゼルプラム」を展開するなど、占い師兼、実業家としても勢力的に活動します。

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棗 ノノ(なつめのの)の得意な占いは「人形占い」

出典:うらら迷路帖 公式ホームページ|TBSテレビ

人形占いはノノのオリジナル占いです。 人見知りで人の前でしゃべるのが苦手なノノはいつも持ち歩いている母んも形見の人形「マツコさん」を腹話術のようにして人とおしゃべりするので、占いをする時もそのままマツコさんを介して占いをするようになりました。

また、ノノはおしゃべりは苦手ですが、祝詞を唱えることが上手く、その声は「天使の歌声」と称され、聞いた人は癒されて眠ってしまう程の癒しの力があります。

二条 臣(にじょうおみ)の得意な占いは「夢占い」

出典:うらら迷路帖5巻/まんがタイムKRコミックス/芳文社/はりかも

九番占試験を歴代最速で突破した秀才である臣の得意な占いは夢占いです。夢占いとは、上記でお話した北条政子のエピソードでもあるように、古くから民間でも行われていたように、人間誰でも毎日夢を見るので、私たちにとって一番身近な占いと言ってもいいでしょう。

夢の内容で吉凶を占いますが、この夢占いについては後日もっと詳しく掘り下げたいと思います。

臣は自分のみた夢の内容で吉凶を占いますので、いつでもどこでも寝落ち出来る体質になったとか。

余談ですが、自分の見た夢で診断をすると言えばスピリチュアル界で大変有名な「エドガー・ケイシー」が代表されます。

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棗 二ナ(なつめにな)の得意な占いは「茶葉占い」

出典:うらら迷路帖 公式ホームページ|TBSテレビ

棗ノノの姉で、千矢はじめ4人の先生です。そんな二ナの得意な占いは「茶葉占い」ですが、茶葉占いってなかなか聞いたことないですよね?日本人には馴染みがないかもしれませんが、茶葉占いはイギリス発祥の占い方法で、18世紀から19世紀に大流行しました。

茶葉占いの方法は、中が白めのティーカップを用意して、茶漉しも使わずにそのまま茶葉がティーカップに入るようにお茶を注ぎます。

雑念を振り払い心を落ち着かせながらお茶を飲みます。この時、飲み干さないで、お茶が底に少し残るようにします。

そして、そして、利き手で時計回りにカップを3度回して、ティーカップをソーサーの上にひっくり返します。

そして、カップの内側に残った茶葉の形を見て、占います。

茶葉占いは日本で言うと、「卜占」に入り、茶葉に残った形は「外応」と言えます。

イギリスでは、ポピュラーな占いでハリーポッターにも出て来る占いです。

いなみに、茶葉は紅茶でも緑茶などなんでも良いそうですので、気になった方はお試しあれ!

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色井 佐久(いろいさく)の得意な占いは「手相占い」

出典:うらら迷路帖 公式ホームページ|TBSテレビ

二ナの幼馴染で迷路町を警部する警ら隊十番地隊の隊長です。

隊長らしく、ボーイッシュで男言葉ですが、根は優しいちょっぴり恥ずかしがり屋さんです。

そんな、佐久の得意な占いは「手相占い」です。手相占いは両手に出ている線でその人の性格や傾向、過去や未来まで見るので、占いの中では実にシンプルかつオールマイティーに見れる占いでもあります。

ただ、最近は占いがネットの中でのやり取りでも出来る中で、手相占いは相手の手を見なければならないので、直接対面でなければ占うことが難しいです。

このことは、他の「相」の占い(風水や家相)でも言えます。

ですので、九占塾(うららの学校)時代にモテモテだった佐久に手相を見られるのが恥ずかしいと相手に逃げられてばかりだったので、佐久は占い師に向いていないと思い、それで、警備隊に入ったほどです。

自分に合った占いを見つけよう!

以上、占いの歴史から、種類。そして、うらら迷路帖を通して占いや占い師について紹介してきましたが、占いに興味あるも無い方ももっと、占いを知り楽しいでくれたら嬉しいです。

占いと一口にいっても、さまざまな占いがあり、うらら迷路帖のうららを目指す子達もみんな得意な占いうを持っています。

そして、二ナ先生の言葉でも

「自分に合う占いを見つけなきゃね」

引用:うらら迷路帖アニメ一話

と言っていた通り、占い師や占いをやってみたい人には必ず自分に合った占いがあります。

もし、探してもなかったらノノのようにオリジナル占いを考えてみても良いでしょう。

うららのみんなは迷路町の神様の力を借りて、占(うらら)を行うとされていますが、現実の占いの中では、そのようなスピリチュアル要素のいらない統計学や学問のたぐいの占いもあります。
(例えば、命の占い全般や相では姓名判断や、家相など)

自分の好きや楽しいを大事にすることが、自分にあった占いを探すヒントでもあります。

また、今回うらら迷路帖を紹介しましたが、うらら迷路帖以外にも占いをテーマにした漫画作品やアニメ、「カードキャプターさくら」や「幻影ヲ駆ケル太陽」、「ジョジョの奇妙な冒険3部」などありますので、そんな作品を通して占いを身近に楽しいでくれたら嬉しいです。